良い音楽は良い環境で聴きたいよね。でも高級オーディオなんて買えないし… だったら作れば良いじゃない!そゆことで酒井智巳さん著の「はじめてつくるプリアンプ (1 万円の本格オーディオ)」を読んでみた。
そもそもプリアンプなんて必要なの?
なんてことは考えちゃダメ!プリアンプ単体なんて高すぎて買えるわけないじゃないですか。必要なのかどうかも分からないけど興味はオオアリクイ。
サルでも作れるプリアンプ
なんとこの本、回路図が存在しない。まるでプラモデルの組立説明図。手順どおりに作っていくと誰でも作れちゃいそうな感じ。それでもきちんと基礎は解説されているし、ちょっと気の利いたお話 (コンデンサや抵抗によって音質が変わるなど) も面白い。
いくつかのプリアンプが解説されているが、メインコンテンツはやはり「1 万円の本格オーディオ」の通り、オペアンプを使ったプリアンプの作り方だろう。高級オーディオ機器では定番のオペアンプ「OPA2604」を使用しているので音が良いに決まってる!
電子工作を始めてみたいけど難しそう… と思っている方には是非お勧めしたい 1 冊だ。
部品を調達
とは言っても、本当に 1 万円でできるのか?と疑ってしまうのが私。インターネッツの力を借りて部品一式を調達してみた。
- 2 連式ボリューム A特性 10kΩ (134 円 x 1)
- LED (3mm・ピンク・3.2V・500mcd (min)) (59 円 x 1)
- Dual FET-Input Low Distortion OPERATIONAL AMPLIFIER [OPA2604AP] (468 円 x 1)
- 板バネ式 IC ソケット 8 ピン (30 円 x 1)
- YM 型薄型アルミケース / YM-130 (648 円 x 1)
- ハイグレード MUSE KZ 25V 470μF (103 円 x 2)
- メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ / MKP2 100V 0.1uF (160 円 x 2)
- 金属皮膜抵抗 1/4W 1% / 1kΩ (9 円 x 10)
- 金属皮膜抵抗 1/4W 1% / 4.7kΩ (9 円 x 10)
- 金属皮膜抵抗 1/4W 1% / 10kΩ (9 円 x 10)
- 金属皮膜抵抗 1/4W 1% / 100kΩ (9 円 x 10)
- 積層セラミックコンデンサ 50V 0.1μF 5.08 ピッチ (21 円 x 2)
- トグルスイッチ / MS-500K-B (159 円 x 1)
- 密閉型小型ロータリースイッチ 3 回路 4 接点 / SRRN142100 (576 円 x 1)
- パネル用 RCA ジャック 赤 (83 円 x 3)
- パネル用 RCA ジャック 白 (83 円 x 3)
- 3.5φ ステレオジャック基板型 (108 円 x 2)
- φ2.1mm DC ジャックパネル型 (75 円 x 1)
入力切り替えを付けたかったので余計な出費あり。ついでに電解コンデンサは MUSE KZ (容量増)、フィルムコンデンサは WIMA (ついでに ERO も)、ロータリースイッチは ALPS と、ちょっと高級品を買ってしまった。
それでも 4,000 円程度。
配線やユニバーサル基板、AC アダプター (ハードオフで 200 円) は手元にあったものを使用したが、これらを含めても余裕で 1 万円未満で作れそう。
でも回路図が欲しかった
よーし!と気合を入れて作り始めようとしたものの、やっぱ回路図が欲しかった。巻末の付録とかにでも回路図が載ってれば言うことなしだったんだけどなぁ…
ふむ、回路図書くか…
プリアンプってこんなに簡単なんですね!
結果
できた。
すごくシンプル。余計な回路を通さないことで音質が良くなるというのはオーディオの常識!だったらプリアンプ自体が余計な回路なんじゃね?というご意見もありますが… プラシーボ効果でもいいもん。
実際のところ、音質は良くなったと思います!
オペアンプ「OPA2604」は艶のある綺麗な音。このオペアンプを他のものに交換することで色々な音を楽しむことができるというまさにファミコン方式。
ヘッドホンアンプでおなじみの「OPA2134」に交換してみると音の輪郭がくっきりしてモニター向きな感じ?
フィルムコンデンサによっても音質は変わる。WIMA は濃厚でジューシーな音、例えるならレスポール。ERO は煌びやかで上品な音、例えるならテレキャスといったところか。(あくまでも個人の妄想です)
おわりに
で、結局、プリアンプは必要なの?
必要です!…必要、だよね…?必要、かも…
「はじめてつくるプリアンプ (1 万円の本格オーディオ)」は図書館にも置いてあったりしますので、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。